ウルトラセクシーなポップスター、バンクス

センセーショナルなポップスター、バンクスの音楽によって高められる感覚。

本名はジリアン ローズ バンクス、またの名を バンクス。 彼女が世に知られるようになったのは、2013年に彼女が自身のサウンドクラウドにデビューソング「ビフォア・アイ・エヴァ―・メット・ユー」をアップした後のこと。ほのかにセクシーで、ゆっくりと燃え上がる奥行きのあるその曲は、これから花開くであろう新たなシーンを予感させるものだった。そして2014年には、五感を刺激する曲が詰まったアルバム「ゴッデス」がドロップされたのである。聴くものが身をゆだねずにはいられないサウンドをつくるバンクス。まるで音楽に体が乗っ取られてしまうかのようだ(人を引き込む力がある彼女のライブでは、よく観客が即興のセッションを始めてしまうほど)。聴く者の感覚を昂らせるパワーは、珠玉の最新アルバム「ジ・アルター」でも健在。アルバム自体も大胆な仕上がりだが、リードシングルには「ファック・ウィズ・マイセルフ」という勇気あるタイトルがつけられている。

ファーストアルバムを出したころ、Facebookに携帯番号を載せていましたね。まだそのまま残している?

まだそのままよ。

いまだにメッセージを送っているの?

そう、できるだけ返事もしてる。今してほしい? (携帯を手に取りメッセージを探す)。「今月、ニューヨークでライブをしてください」とあるわ。これには「すぐに実現できることを祈ってるわ! バンクス」って返すわね。(送信ボタンを押す)

おかしなものを送ってきた人はいる?

うーん、そうね。

ヌードとか?

すごくおかしなものがいくつかあったのは確か(笑)。

曲の書き方について教えて下さい。まずどうやって始めているの?

ムードね。心の中になにか表現するものがあると、コードみたいなものが浮かんで、やがてメロディに変化するの。そしてひとつの言葉が浮かんできて、文章となり、コンセプトを呼び起こす詞になる。

ムードというのは、あるムードになるということ?

そう。そういうムードになると書かずにはいられなくなる。何かを表現する必要に駆られたとき、いつもそう。このアルバムには何年も前に起こったことを書いた曲があるんだけど、表現したくなるの。

クリエイティヴな意味で、どのくらい自分の感覚とつながっていると思う?

すごくつながっていると思う。ときどき、そんなにつながらなくてもいいと思っちゃうくらい。感覚が研ぎ澄まされているということは、時に人生を厄介にするけど、総じていいことだと思う。感じやすくない方が楽でもあるけどね。

感覚から記憶が引き出され、それによって曲が生まれるということはある?

感覚から記憶が引き出され、それによって曲が生まれるとすれば、もうちょっと練り上げる必要があるの。感覚といえば、自分が昔書いた曲なんかを聴くと、ときどきすごくノスタルジックな気分になっちゃう。聴いてられなくなっちゃうこともあるくらいよ。

視覚的なメディアからインスパイアされることはある?

私の曲は私の人生から生まれたものだけど、他の種類のクリエーションからインパイアされていることは確かよ。アーティストとか、画家とか、自分のおばあちゃんとか。ほかにも、私が尊敬していたり、大好きだったりする人も。そういうことをインスピレーションのソースにしているの。ものすごいアイデアが頭の中にあるとき、それは音だけでも、映像だけでも、香りだけでも、ひとつの物体だけというわけでもないの。すごいアイデアっていうのは、そういうものすべてを網羅したものなの。全部ね。感覚であり、手触りであり、味でもある。誰かが「何を感じてる?」って聞くとき、私が感じているのは色のようなものなの。自分の曲を説明してって言われると、どうしたらいいかわからなくて、いつも色を使うのよ。私が音楽をつくるのは、言葉では十分表現できないからなんだもの。

だから最近は絵文字が流行っているのかもしれない。言葉を補ってくれるから。

本当にそう!おもしろい。絶対そうだと思うわ。

じゃあ新しいアルバムを絵文字で表すとしたら?

えっ、もう!? 次にこの質問がくるかもって考えておくべきだったわ。

じゃあ、色は?

単色じゃないのよ。このアルバムは、内側はメタリックカラーで、ソフトグリーンもある。もちろん、赤も。黒もあるわね。柔らかさと、たぶん私が以前向き合うのを恐れていた弱さも、このアルバムには備わっているの。そして中に秘められているのは、激しくて攻撃的なエネルギーよ。

最新アルバムの中で私が好きな曲は「Weaker Girl」です。これは何について書いたもの?

聴いたままよ。自分のありのままをすべて受け入れるということ。

あなた自身のこと? それとも誰か別の人について書いている?

ちがうわ、私よ。

他の人のことについて書くこともある?

ときどきね。

想像上の人物? それとも実在の人物?

実在の人物よ。

想像上の人物はない?

わからない。友達に何か起こったとしたら、それが自分だったらと想像したり、そのとき自分が感じたこととかを掘り下げていくことができるわ。いつも現実世界と結びついているの。だって感じたことがないことについて書くことはできないでしょう。

あなたのライブは、とても体感的であることが多いですよね。お客さん同士がキスしていたり。自分の音楽が聴く人に対してそういう作用を及ぼすことをどう思う?

私も、曲をつくっているときはなぜか官能的な気持ちになるわ。

自分の曲を聴いて誰かにキスしてしまったことはある?

ないわ! 考えただけでナーバスになっちゃう(笑)。考えられる? 自分の曲でムラムラするなんて。私の曲には聴いた人をセックスにかき立てるような何かがあるんだと思う。私自身、曲を書いているとセクシーな気分になることがあるの。すごくソフトな気持ちになることもあるわ。曲を書いていると、自分の人間的な部分をすごく感じるの。そしてそれには官能も、愛も、恋に悩む気持ちも含まれているのよ。エモーショナルになるってこと。

PVとか、アートワークとか、SNSとか、音楽以外のことには、どのくらい関わっている?

全部自分でやっているわ。だって、全部私自身のことだもの。信頼の置ける人に意見は聞くし、コラボレートしている人たちからインスパイアされているのはもちろんだけど。全部をコントロールしているわ。私の顔であり、体であり、音楽であり、心でもあるから。すべてなの。

「Mind Game」の中で、それを世に出すことは無防備になることだと言っているけど、どうやってその感覚を克服したの?

インタビューとか自分をさらけ出すことは、まだまだ難しい。あまりに人目にさらされると居心地悪く感じる。でもこのアルバムでは、もっと私自身をさらけ出していると思う。とても難しいことだった。

アルバムのジャケットでは、ファーストアルバムのときよりダイレクトなイメージを使っているのね。

そうね、メイクすらしていないし。まったくのすっぴん。私自身を見せたかったんだと思う。そばかす以外、影も落ちてない。髪をまとめた私がいるだけ。私にとって、このアルバムはそういうものなんだと思うの。この業界って難しいわ。私は見られることを商売にしている人じゃないし、自分のことを四六時中話すのも好きじゃない、個人的なことについて語るのって本当に大変なのよ。ファーストアルバムはすべてが急展開だったし、私もカメラ慣れしていなかった。しょっちゅう抵抗感みたいなものがわき上がったの。だから、このアルバムでは「私はここよ、怖くなんかない」ってことを見せたかった。

アリシア・キースもMTVのミュージック・ヴィデオ・アウォーズの授賞式にメイクなしで登場して、最近ひと騒動起こしましたよね。ノーメイクということだけど、それについてはどう思う?

おかしいじゃない? 女性がメイクなしで出かけるのが、そんなに大ごとなのかってことでしょう。この業界って、女性にとっては最悪よね。女性を賛美することもあるけど、きついこともある。ノーメイクみたいなことをしたり、型どおりにしなくてもいいと言ったり、反対の声をあげたりするのは必要なことだと思う。そうでもしなければ、長い間型にはめられることになるんだもの。それってフェイクよ。人間は皆、人間でしかないでしょう。誰かが誰かより偉いなんてことはないわ。それに欠点があることを称賛するのって、大切なことだと思う。誰にだって欠点はあるのだもの。もしない人がいたとしたら、隠しているか偽っているだけのことよ。

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