Yes Way Rosé:夢を叶えたふたりの大親友

ライターでありエディターでもあるエリカ・ブラメンタール(Erica Blumenthal)は、大のロゼ好き。当初はこの薄いピンク色のワインへの愛をInstagramに書き連ねているだけだった彼女だが、今ではオリジナルのロゼワインを製造・販売するにまでなっている。そんなエリカが、ビジネス立ち上げの秘訣について教えてくれた。

ファッション・エディター/ライターとしてのキャリアを築いていた私だけれど、あることをきっかけに、あれよあれよという間に、なんとビジネスウーマンになってしまったの。手短に話すと、3年ほど前に親友と、「私たちがいかにロゼワイン好きか」、「いかにロゼワインが私たちを幸せにしてくれるか」を綴るためのInstagramアカウントを始めたの。フォロワー数が増えてきたからオリジナルのロゴを作って、それを配したトートバッグを作ったことから、私たちの趣味がブランドになった。それから4年経った今、私たちはオリジナルのワインを製造・販売するまでに至っている——〈サマー・ウォーター(Summer Water)〉という名前のロゼでね。わたしたちが大好きなプロヴァンス産のワインにインスピレーションを得て作った、軽めのボディで酸味も適度な、ドライでさっぱりとした口当たりのロゼよ。

テイスティングノートからブランディングに至るまで、私たちがこれまでYes Way Roséでやってきたことはすべて、ロゼへの、そしてロゼのスピリットへの私たちの愛を反映しているの。ワインについて書くために遠く離れたワイナリーにも行ったし、有名人にうちのスウェットシャツを着てもらったりもしたわ。Yes Way Roséは、もちろんその名が示すとおりとても楽しいプロジェクトだけれど、これはビジネス——そこに求められる仕事量は相当のものだし、学ばなきゃならないことは尽きない。自分をビジネスのエキスパートだなんて口が裂けても言えないけれど、これまでの4年間で実にたくさんのことを学んだことも確か。自分の会社を立ち上げようと考えているひとは、ぜひとも私の考えを参考にしてみて。

夢は大きく——最初の一歩は小さく

@yeswayroseを始めたらすぐに手応えを感じたわ。そして間もなくして、私の手には負えないほどの盛況になった。@yeswayroseのことだけで日々が終わってしまうほどだったわ。感じることを全て感じて、心をよぎる考えはすべてそのものとして受け止めることが大切。でも、だからといって人生が一夜にして好転するわけじゃない。夢を叶えるには、そのためにどう問題を解決していくか、どう最初の一歩を踏み出すか——ウェブサイトを作ったり、企業理念を書いたり、そういった具体的な計画を掲げることが大切。世界一の企業になれるかどうかなんて、最初は考えなくていい。まずはやるべきことに焦点を絞るの。

お金がすべてではない

お金を稼げるということは素晴らしいことだし、「儲ける」ということはビジネスの本質でもある。だけど、ひとを幸せな気持ちにさせることでお金を頂けるなら、それほど幸せなことはない。ロゼの色に染まったグラスを通して見える私たちのビジョンでひとを幸せな気分にできるなんて、私は幸せ者以外のなにものでもないわ。私たちの世界観をひとびとが気に入ってくれて、今では〈Summer Water〉を美味しく飲んでくれるなんてね。ビジネスでは、お金を稼ぐことよりも、ブランドの核になるものを大切にしてほしいの。ピラティスのクラスで腹筋を意識するでしょう? あんな感じで、ブランドの核を常に意識して事業を進めていくのよ。この先、大きな決断をせまられるとき、必ずその核の部分が要になる。そしてそれが結果としてお金に繋がるわよ。

余力を残しておく

ビジネスを育むことは、山登りに似てると思う。頂点に辿り着けるよう、エネルギーを残して慎重に進まなきゃならないの。これは難しいことよ。特に、ビジネスの部分にのみ興味があるひとにとって、これは忍耐勝負になるかもしれないわね(そう、あなたたちのことよ、会計関連チームのみんな!)。でも、高みを目指すのであれば、一歩一歩きちんと道を見出して進まなきゃならないの。課された仕事はきちんとこなさなければならないし、ビジネス自体や生活に支障が出るほどの仕事を抱えているなら人を雇うことも考えなきゃ。頂点まで登るには、自分のペースを乱さないことが大切よ。

自分を守る

テイラー・スウィフトが以前、ソングライターの卵たちにこうアドバイスしていたの——「いい弁護士をつけなさい」って。スーパースターだからこその言葉なわけだけれど、でもテイラーの経験から出た言葉には重みがある。良いアイデアは真似されるのが世の常。ビジネスを始めれば、あなたにもきっとそれが起こる。アイデアも、そして自分自身も、そしてそのふたつがあって初めて成り立っているあなたのビジネスも、あなた自身が守っていかなくてはならないのよ。

プロのアスリートのようにものを考える(自分が上に立つ)

わたしはスポーツが大好きなの。今年、NBAのファイナルを見ながら、「これはビジネスにも言えることだわ」と思ったのよ。バスケットやテニスの試合を見ていると、そこに「試合の流れ」や、「チームがどうやって機能しているか」、「チームのために必要な自己犠牲」、「チャンピオンチームがチャンピオンチームになれた理由」が見えてくる。そしてそのどれもが、ビジネスにもあてはまるの。スポーツにもビジネスにも相当な量のスタミナと決意、そして努力が必要とされる。スポーツ界で王者になるには、失敗をも学びのチャンスに変える精神力が求められる。「失敗」なんて言葉は、チャンピオンたちの辞書にない。すべてのアイデアが大きなポイントに結びつくわけではないし、中にはまったくヒットしない場合も多くある。それでも、「挑戦した」ということだけで、あなたは着実に成功へと向かっているの。

小さな成功も祝福する

自分へのご褒美は楽しいし、なによりも気分がいいもの! ビジネスパートナーと私にとって、フォロワー数が1万人を超えたのはひとつの達成だったの。そこで、ふたりしてずっと行きたかったオシャレなレストランを予約して、ディナーの最後にはデザートにキャンドルを灯してお祝いしたのよ。今でもたまに高価なワインでお祝いをしたり、目をつけてたカシミヤTシャツ(絶対に欲しかったの)を記念としてふたりで買ったり、贅沢をするわ。お祝いをすると改めて「頑張ろう!」と思えるし、後で振り返っていい思い出になる。

柔軟であること——予想外のことが起こっても、オープンでいること

「成功への道はひとつじゃない」って言う私の言葉を信じて。想像もしないようなことが起こっても、それに対してオープンな心で挑むのが大切よ! Yes Way Roséは、ただのコンテンツベースとしてしか考えていなかったInstagramのアカウントから始まった。それが、ネットワーキングを続けているうちに発展し、そこにひらけた道を私たちは進んできたの。そうしたら、「数千人もの人々が喜んでくれる商品やワインを生むビジネス」という未来が待っていた。これまでの4年間で私の人生は大きく変わった。ビジネスに導かれて、そこに待ち受ける冒険を楽しんで! あなたの目の前にはたくさんの選択肢が転がり込んでくるけれど、そのどれか一つだけが正しいなんてことはない——それを忘れず、楽しく前へ進んでね。

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